このアプリがあればコードもメロディも簡単に採譜できる
その名もRiffstation。Sonic Ladderという会社の製品ですが、2017年に泣く子も黙るFender社に買収されています。つまりFender社謹製アプリと言っても問題ないでしょう。
以前は4,200円の有料アプリでしたが、無料で使えるようになりました。Fender社こだわりのアプリとあって、なかなか面白い機能満載。ぜひ一緒に見ていきましょう。
概要
アプリのダウンロードページの説明が一番わかりやすいように思います。
書き出してみましょう。重要なことが書いてあるので、本当に使いたい方はじっくり理解してください。
Riffstationはギタリストやミュージシャンが好きな曲を練習し、学ぶための究極のアプリです!
既存の音楽コレクション(mp3,mp4,aac,flac,ogg,wav,aiff)から任意の曲をロードします。これが自動的に解析され、いつ、どのタイミングでギターコードを引けばいいのかを原曲とシンクロさせながら確認することができます。自動モードでは約85%の精度でmaj, min, 7thコードを検出することができます。
・コレクション内、どの曲のコードも取得可能
・音楽とシンクロするコードダイアグラム
・どんな音楽も再生速度を遅く、または早く、切り替え可能
・どの曲もピッチを変更可能
・ビートとシンクロした完璧な練習ループを作成しよう
・完璧なタイミングでリフをループ
機能ハイライト(※説明済の昨日は省く)
・音楽のキーを変更し、移調されたコードを確認
・セミトーンで音楽を移調
・原音を微調整し、ライブ用のピッチに。
・カポ機能を使用し、カポコードの位置を確認。
・速度を変更して練習。ピッチを変えずに音楽を減速またはスピードアップ
・MP3内のギターソロや保管楽器の音源をアイソレート(分離)
・ギターや他の楽器の音をミュートし、独自のバッキングトラックを作成
・アイソレートツールを使用し、ボーカル音を取り除き、カラオケのバッキングトラックを作成。ビートに合わせてメトロノームがシンクロ
・どんなセッションも完璧な精度のループを。自動ビートスナップがループを確実に
・加工したバッキングトラックや練習ループを保存(フルバージョンのみ)
・セッションセーブを使用して曲ごとの設定を保存
基本的な使い方
始めるにはファイル>オーディオファイルを開くを選択し、mp3やaacなどを選択するだけです。
ファイルを読み込むと自動的にコード解析が始まり、数秒でコードが表示されました!
コード自動解析の精度について
85%の精度、とありましたが、実際使ってみるとトータルで60%くらいかな、という印象です。ビートルズあたりのコード構成がシンプルな曲であれば85%くらいは出せます。しかしビリージョエルあたりのモダンなポップスになると、ちょっと怪しいコード進行が増えます。
また、Jazzあたりだとmin7やdimなどの解析がされませんし、コードも結構ぐちゃっとしてしまいます。
その辺りは曲の難易度と合わせて各自の判断が必要になりそう。
TEMPO機能
まずはパネル左側に見えるTEMPOパネル。
つまみは速度を変えるもの。一番左まで回せば、速度半分。右いっぱいに回すと2倍速になります。曲の速度は遅くなりますが、もちろんピッチは変わりません。早弾きソロを耳コピする時などに重宝します。
そしてMODE SELECT。これはビートをどのようなロジックで自動決定するか、というもの。
- Mode 1 – 強拍を抽出するデフォルトモード
- Mode 2 – 単体楽器演奏にあうモード
- Mode 3 – Mode 1 and 2のブレンド
- Mode 4 – ステレオを重視しないモノのMode1
というアサインなので、自動検出されたビートがいまいちおかしい場合に、設定を変更してみてください。
ISOLATE機能
パネル中央に見えるISOLATE機能。こちらは特定の周波数だけを抜き出したり、逆に排除したりすることができます。これによりソロパートだけを抜き出したり、逆にボーカルだけを決してカラオケトラックを作ったりできるわけ。
やり方は意外と簡単。下記左下のボタンをONにします。左チャンネルから右チャンネルまでの音の分布が出てきます。
例えばボーカルだけを抜き出したいとしましょう。ボーカルがどこに位置するのか、分布グラフの下にある三角の左右スライダーを動かして探します。だいたい中央付近ですよね。
だいたい中央より少し右に見つかりました。
選択された部分とそれ以外の音をどの程度分離するかはSEPARATIONボタンを回して調整します。例えば右いっぱいに回すと、選択された部分以外の音はすべて消えます。 下記のような状態に。これで完全にこの範囲の音しか聞こえません。範囲はWIDTHボタンで調整します。
これでボーカルだけを抜き出すことができました。
逆にボーカルだけを消したい場合は、左にあるSとMのボタンのうち、Mをクリックします。これにより選択範囲以外の音が鳴ります。下記を見てください。選択範囲がすっこり消えています。これで歌が居ないカラオケトラックの完成です。
PITCH機能
パネル右側。その名の通りPITCHを変えられます。SEMITONES一つに付き半音。よって12にすると1オクターブ上がります。逆も然りです。
Riff Builder
特定の部分を抜き出してループにすることができる機能。見たまんまですが、上のRIFF BANKにはAからFのループを登録可能。それぞれには16小説のリフを割り当てることができます。リフの順番は1324のように変化することもできます。
そしてそれを下のRIFF BANK SELECTORで配置していきます。
結構迷うのは、一度選択してしまった箇所を消す処理。RIFF BUILDERの場合はCtrlもしくはCommandを押しながら、水平バーを左に戻していくと、消えていきます。
Chord Viewer
最後にChord Viewerタブ。こちらは見た通り、分析された曲のコードに対応したギターの押さえ方を表示してくれます。
コードはオープンコードとパワーコードを選択可能。また、カポを使用した場合の押さえ方も。そしてなぜか、ネックのデザインを4つ、選択可能。
さすがFender製だけあって気合いを感じます(笑)

Chords Viewer
ということで今回は無料で利用できるFender製の高性能音楽アプリのご紹介でした。
ギターの人には重宝するでしょうね。他の楽器の人も耳コピやループ作成にご利用ください。