不動産投資したいけどどうすれば!立地による特性を整理してみました

投稿者: | 2018年8月7日
ぱっと読むまとめ

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不動産投資したいけど、どんな物件を買えば良いの!!

FXや株などの投資に資金を回しても、負けっぱなし・・・。さらに最近はビットコインでもやられちゃったよ。

そんな声が聞こえてきそうです。2018年に入ってから地合が悪いですからね。でも投資はしてみたい、特に不動産投資に興味あるが、いったいどこから手をつければいいのか分からない。そんな人も多いようです。

今回は不動産投資の肝について特集します。

そもそも、どんな分類があるのか

一口に不動産投資と言っても、対象となる物件は様々。この多様性がまた初心者に参入を難しくさせています。私たちと不動産屋さんとで情報が非対称になればなるほど、私たちの資金が搾取される可能性があります。しっかり勉強していきましょう。

まず地域的な区分があります。

  • 東京超都心
  • 東京都心
  • 東京都心周辺
  • その他東京・東京通勤圏
  • 地方大都市
  • 東京周辺関東圏、地方中堅都市
  • 地方田舎

次に築年数の区別があります。

  • 新築
  • 中古(8年くらいまで)
  • 中古(22年くらいまで)
  • 中古(45年くらいまで)
  • それ以上古い

また、住居形態・建物形態があります。

  • ビル一棟
  • ビル区分
  • マンション一棟
  • マンション区分
  • アパート
  • 一戸建て
  • その他

建物の構造も4種類あります。構造により建築価格と耐用年数が変わってきます。

  • 木造(W造)
  • 鉄骨造(S造)
  • 鉄筋コンクリート造(RC造)
  • 鉄骨・鉄筋コンクリート造(SRC造)

また、貸借人の使用用途、形態も様々です。

  • オフィス
  • 店舗
  • 民泊
  • ファミリー向け
  • DINKS向け
  • シングル向け
  • シェアハウス

概ねこのような区別があります。もう頭がぐちゃぐちゃになってきましたか?

大丈夫です。あなたに手が届く物件は限られてくるはず。普通のサラリーマン目線で、土地の属性を軸として整理してみます。

東京超都心物件

まず東京超都心物件。人によって意見は違いますが、不動産価格で見ると千代田区・港区・中央区を超都心と定義してもいいと思います。一般的に都心3区と呼ばれています。

この地域の物件価格は日本一。普通の会社員の手が届く物件はなかなかありませんが、唯一可能性があるとすればとても古い区分マンションでしょう。

日本は今後少子化に向かっていきます。人口が減ることにより、不動産価格が下がるであろう地域の方が多いと言われています。しかし、この都心3区については逆に上昇すると言われています。

様々なリスクが低く、価格は非常に高いため、利回りは大変低いです。優良資産を末長く保有したい人向けです。

またはdinksの方々が「子どもができるまで住む家」ということで都心に45平米くらいのマンションを買っておく、というのも良いかもしれません。住宅ローンを借りて低金利で返済をしておく。価格は下がりにくいでしょうから数年経っても資産価値はそうそう下がらないでしょう(新築は除く。新築は高いので×)。そして子どもが生まれたらそこを賃貸にして、自分たちは他の物件に住むという選択肢もありです。

これはあくまで噂レベルですが、住宅ローンで買った物件は本来は自分たちが住まなければいけませんが、しかし途中で賃貸に転用してもあまりうるさく言われないとのこと。通常賃貸住宅は事業用ローンとなりますので、2%(オリックス)〜4.5%(スルガ)あたりの高い金利で資金を調達することになりますが、住宅ローンであれば0.5%くらいの金利で調達可能。もしこれが可能なら、結構最強の手法だと思います。

東京都心

概ね山手線の中およびそのちょっと周辺、と考えれば良いでしょうか。いくら区だからと言っても、練馬区あたりは含まれません。

この地域は都心3区に比べれば、不動産価格は安め。とは言え、やっぱり高いです。戸建ては無理。ビルも無理。となると、自然にマンション区分に限られてきます。

サラリーマン向けに区分マンションの勧誘が多いのもこの地域。区分を検討するなら悪くない地域です。

しかし、新築および築浅区分マンションだけは絶対にやめてください。どう考えてもペイしません。投資のつもりで買ったのに、毎月持ち出しになるでしょう。ピンと来ない方にもう少し詳しく説明します。

こんな物件を見つけました。

渋谷区初台。築3年。20.37平米ですから、単身者向けです。価格は2,900万円。利回りは3.51%。

利回りは年間収入/価格*100で求められるため、これから年間収入を逆算することができます。それによると年間102万の収入。月当たり8.5万円。大抵業者の利回りは高く見せるのが普通。ただ築3年も経っているので、すでに賃借人が住んでいるのでしょう。その実績家賃が8.5万円なのだろうと思います。

区分の場合は、ここから毎月の修繕積立日・管理費が引かれます。このマンションの場合は合わせて8500円ほど。

もしあなたがローンを組まずに、キャッシュで買ったならば、毎月8.5万円-8500円=76,500円が手元に残ります。潤沢にキャッシュがあるなら、そんな選択肢もありなのかもしれません。

しかしローンで買ったらどうなるでしょうか?2900万円を35年ローン(精一杯長め)金利2%で購入すると、毎月の支払いは96,000円です。35年で考えても、完全に逆ザヤ。毎月2万円が無くなっていきます。さらに固定資産税なども支払わなければいけません。

投資というからには、年間収支を1円だとしても利益をださなければいけません。逆に1円でも損するならば、絶対に投資対象にはなり得ません。35年経てばあなたのものになる?老後に85,000円入ってくる?そんなことのために毎月2万円支払う必要はないのです。

  • 中には持ち出しでも良いや、という人もいます
  • 不動産投資ではなく生命保険や年金代わりに、と捉えている層です。
  • 確かに団信付きローンであれば現在の生命保険を解約することができるので合理的な選択かもしれません
  • 一生に一室だけで良い!という人はこれ(持ち出しの状態)でも良いのかもしれません。
  • しかし、今後所有物件を複数持ちたい人は、絶対に1円でも持ち出しにしないよう注意してください。

閑話休題

とうことで、このエリアで狙うなら、新耐震(建築確認済証の交付が1981年6月1日以降)の、しかし新しすぎない建物が良いと思います。具体的には築20年とか25年とか、その辺りを見てみるとどうでしょうか。

また、一時期はシェアハウスの売り込みもあった地域です。しかし「かぼちゃの馬車」問題が発生してからシェアハウスの供給が過多になっていますので、手を出さない方が無難です。

最近では狭小専門の木造アパートというものも出てきているようです。狭くても快適に過ごせるそう、様々な設計上の配慮があるそうです。都心であれば14平米くらいでも賃借人は確保できると思われ、その分野には興味があります。

東京都心周辺

杉並、武蔵野市、板橋宿区や北区、品川と横浜の間など。この辺りは都心とは素直に言えないものの、都心に出るのが大変便利な地域です。都心からタクシーで帰っても5000円くらいでしょうか。

この地域になると選択肢が増えます。まずアパート用地を買って、アパートを建てることも可能になってきます。価格はグロスで1.2~1.5億円くらい。オリックス銀行さんあたりから金利2%で調達できれば十分利益を出せます。

また中古アパートも5000万〜8000万あたりのものが出ていますので、状況によってはありでしょう。

ただ、狭すぎる物件を買ってはいけません。業者によっては利回りを高く見せるために部屋を極限まで狭くしているものがあります。具体的には一部屋20平米以下はやめた方が良いでしょう。

戸建ては投資対象にはなりません。ただし再建築不可や借地権物件であれば、投資妙味はあるかもしれません。いずれにせよ、初心者が手を出してはいけない物件です。

また、練馬区あたりの物件は今後要注意。現在すでに大泉学園やひばりヶ丘から徒歩10分以上の属性で、多くの戸建てやアパートが売られています。そして結構安い。すでに結構安くて魅力的に見えます。

しかし安いものには裏がある。それだけ入居者を探すのが難しいということです。

さらに2022年には生産緑地法30年を迎えるにあたり、いわゆる「生産緑地の2022年問題」というものが発生すると言われています。これは簡単に言ってしまうと「都市部の住宅地になぜか存在するネギや大根を作っている農地」が不動産会社に売却され、宅地やアパート用地になるかもしれないというもの。土地の供給が増えるのですから、自ずと周辺の地価は下げ圧力となるでしょう。そして生産緑地が特に多い地域が練馬区、と言うわけです。

不動産投資を長い目で見たときに、生産緑地が多い自治体は避けたほうが安全でしょう。

その他東京・東京通勤圏

埼玉だと川口・戸田、東京だと練馬や三鷹の南の方など。

この辺りはさらに価格が下がります。新築アパートで1億円切り、中古アパートも3000万円〜6000万円ほどのものが狙えます。担保評価はそこまで悪くないので、融資も通りやすいでしょう。

また、頑張ればボロ戸建てを安く買えるかもしれません。具体的には500万円〜1000万円を狙います。この地域であれば戸建ての賃貸需要はあります。月8万円で賃貸に出して、利回り10%を狙うことは可能でしょう。

その代わりライバルもたくさんです。

地方大都市

今でも一番人気は大阪、名古屋、福岡、札幌。でしょうか。その他、仙台や広島、岡山あたりも視野に入ってきます。

大阪・名古屋については地元の不動産投資家が多く参入しています。家賃下落リスクは他の地域に比べて低いでしょう。しかし家賃も結構安い。東京の感覚で考えるとびっくりするほど安いです。よって利回りは予想以上に低いでしょう。

福岡、札幌も少々投資家で飽和気味。さらに札幌は冬のメンテナンスコストがあり、他の地域の人が参入する場合は慎重になった方が良さそうです。

いずれにせよ、大阪ですら家賃が十分に取れない現在。初心者はあまり手を出さない方が良いかもしれません。

また、50万円とか100万円で格安中古戸建てを買って、セルフリフォームし利回り30%などを叩き出している人もいます。それは現地に通う十分な時間があったり、フォローする時間がある人ができることです。

東京周辺関東圏、地方中堅都市

埼玉の真ん中より奥とか、千葉のちょっと不便なところとか。

この辺りは田んぼの真ん中に大東建託のアパートが立っていたり、突如現れた工場の周りにそれに寄生するようにアパートが立っていたり、そんなところが多々あります。少なくともアパートはリスキーなので避けた方が宜しいでしょう。

戸建て賃貸はありかもしれません。その代わりギリギリ安く仕入れる必要があります。できれば100万円以下。300万円くらまでなら考えても良いかもです。家賃が3万~4万円でも驚異の利回りを弾き出すことが可能です。

地方田舎

人がいない地域はタダでももらわない方が良いかもしれません。今後地方は人口が減り、土地の需要が減っていくことは目に見えています。特に山林なんかを相続すると手入れが大変です。そして税金だけが持っていかれます。

結論

ということで、今後不動産投資をするなら

  • 絶対に価値の下がらない東京超都心で鉄板区分(リターン少ない)
  • 東京都心周辺(属性の良いサラリーマンがアパートを建てる)
  • その他東京・東京通勤圏でボロ戸建てをリフォーム(ライバル多いけど)

あたりが固いのではないかと思っています。みなさんのご意見もお寄せください。

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